DV防止法 – 知って得する離婚マニュアル
ドメスティックバイオレンス

DV防止法

DV防止法とは

これまでは家庭内暴力については、警察も「民事不介入」の原則から「家庭内の問題」と軽視され、問題にされないことが多くありましたが、平成14年4月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」ドメスティックバイオレンス防止法(DV防止法)が施行され、警察に保護を求めることができるようになりました。
DV防止法とは配偶者(内縁関係を含む)から身体又は生命に危害を受ける恐れの
あるものから救済する方法を定めた法律です。

ドメスティック・バイオレンスとは一般的に親しい男女間の暴力を言いますが、DV防止法の対象となるのは、このうち配偶者間の暴力です。
この法律における配偶者とは、
1.婚姻届を出した(法律婚をした)男女
2.婚姻届は出していないが、事実上婚姻関係にある男女(内縁関係や事実婚)
3.配偶者からの暴力で離婚した元配偶者

ただし、離婚した元配偶者からの暴力は配偶者暴力相談支援センターでの相談や
一時保護等の対象にはなりますが、保護命令は認められていません。
またDV防止法は殴る蹴るといった身体に対するものを想定していますので、言葉でいたぶるといった暴力は原則としてこの法律の対象となりません。

この法律は配偶者からの暴力を対象にしており、女性に限定しているものではなく、男性の被害者であっても、この法律による保護を受けることができます。

▲ページトップへ

配偶者暴力相談支援センター

日常的に配偶者からの暴力をい受けている方は、配偶者暴力相談支援センターに
援助や相談をすることをお勧めします。配偶者暴力相談支援センターとは各都道府県が設置する婦人相談所やその他適切な施設で、配偶者の暴力やの防止や被害者の保護を図るための施設です。

・相談や相談機関の紹介
・被害者やその同伴家族の一時保護
・自立支援のための情報提供 など

※ 配偶者暴力相談支援センター

▲ページトップへ

保護命令

保護命令とは、加害配偶者の暴力から被害者を守るために、裁判所が加害者に対して出す命令のことです。被害者は生命又は身体に重大な危害を受けるおそれがある時は、暴力を受けた状況等、一定の事項を記載した申立書を自分、又は相手の住所を管轄する地方裁判所、又は暴力が行われた場所を管轄する地方裁判所に提出します。

保護命令は2種類あり、

1.接近禁止命令
加害者に対し、6ヶ月間、被害者に付きまとったり住居、勤務先など被害者が通常いる場所の近くを徘徊してはならない

2.退去命令
加害者に対し、2週間、被害者と共に生活の拠点としている住居から退去すること

命令に違反する者は、1年以下の懲役か、100万円以下の罰金が科せられます。

▲ページトップへ

緊急時は警察に

緊急を要する場合は警察にも相談したり、保護を求めることができます。
警察に一時保護してもらえば、24時間対応の女性センターやシェルターなど、身の安全を確保できる場所を提供してもらえるはずです。
また警察では通報を受けた場合、暴力が行われていると認められている時は「暴力の制止」「被害者の保護」「被害発生を防止するための必要な措置」に努めるように規定しています。

▲ページトップへ

DVの証拠を集める

DV被害者は加害配偶者に対して治療費や慰謝料の賠償請求をすることができます。
裁判の審議の過程でDV被害の状況を説明するには証拠を集めることが最も有効な手段です。
相手の暴力によって破損した物や破られた衣類、散乱した部屋の様子は写真に撮り、怪我をした場合は、証拠として医師の診断書等で事実を証明することが必要となります。
証拠の収集は自分自身にとっても客観的な資料になります。

▲ページトップへ